のうぜんかずら


のうぜんかつらの花の色は
去り行く人の背中で
空が焼ける色
思いは熟れずに
紫色の雲を曳いて消えていった


のうぜんかつらの花がしぼむ
変わり行く人の背中で
空も移る濃き紫
望みは熟れずに
冷たい花火の跡を一つ記した


のうぜんかつらの色が
朝日を包む茜色になるまで
立ち続ける私の背中が
紫色に凍るまで
かの人を
のうぜんかつらの根に埋めるまで
今日は今日のまま