82歳になった友人


二ヶ月も前から「ご一緒して」と、頼まれていた美術展
「カポディモンテ美術館展」この真夏に始まりました
忘れていたわけではありませんが
猛暑になったこともあって・・・でも
「私は暑くっても大丈夫よ」
それに彼女はこうも言うのですよ・・・そそるように?
「あなたも無料だし」
物凄くお元気でも彼女はペースメーカーを入れているので
身障者なのですね、で、付添い共に、無料なんですね
見たくないわけじゃないので・・・
つい釣られました!


お約束の時間が5分過ぎた頃
「ごめんなさいね、送れちゃってまだ日本橋なの」と携帯へ
「慌てずにゆっくりどうぞ、ここにいますから」
ところが10分で着くはずが・・・30分経っても・・・
ところが彼女の携帯は
「只今出ることができません。メッセージを」
こりゃどうしたわけだ?心配になった頃
「私、どこに居るのかしら?公園口らしいけど・・・あなたどこ?」
「お約束の公園口の改札ですよ。どこの公園口です?」
常磐線とか、日比谷線とか・・・書いてある」
「動かないでくださいよー、二人で動くと永遠に会えない」


そんなわけで1時間後にようやくめぐり合い・・・
そのとどのつまりが・・・
チケット窓口で「大変!」
「身障者手帳忘れてきたの、ねぇ、無くちゃ駄目?」
「ご提示いただかないと・・・駄目です」


本当に久しぶりの遠出?
思いっきりおしゃれしたくて
「新しいブラウス高島屋まで買いに行ったのよ」
そしてイタリアへ行ったとき買ったプラダのバックを
引っ張り出したのまでは良かったのだけど・・・
「移し変えるの忘れたんだわ!
 待ち合わせ場所も忘れちゃったし、
 私やっぱりボケてきたんだとあなた思う?」
思う?って聞かれても・・・


「怒っていない?
 もう付き合ってくれない?」
「大丈夫ですよ!」
私なんかとのデート?に
思いっきりおしゃれしてくる方はやっぱり可愛いですものね?