懐かしい通り


先だって、世田谷線に乗ったけれど
ああいう電車に乗ると、否応なく思い出されるのが都電
中学校と高校と合わせて6年間都電通学だった
千束町から三筋町まで
朝は満員で、ステップの上にようやく足を乗せ
手すりにしがみついて次の停車場まで
風を切ってちんちんと走っていき
次の停車場で乗り込む人に背中を押されて
電車の中にようやっと潜り込むという毎日だった
沿線の風景など朝は見る余裕もなかった
合羽橋通りを進み菊屋橋までくると
同級生の家が次々と現れてきたものだ。



今日は久々の浅草散歩
蔵前駅から駒形橋を横手に見ながら吾妻橋
朝日ビールの泡のなかで昼食をとり
仲見世を歩き、観音様、三社様に初詣して
珍しく西参道を通り東本願寺を経て合羽橋まで歩いた


踊りの衣裳屋さんが並ぶ西参道はなかなか面白いのだが
こんなに近くに住んでいながらここはめったに通らないから
あの頃度々楽しみに通った浅草温泉も
ずいぶん長いこと見たことがなかった
その温泉がすっかりさびれてまだあの建物があった
寂びれ方がなんとも哀しげで…
花やしきの懐かしさとはまた違った感慨


合羽橋はあの頃より少しおしゃれっぽくなって
個人の…普通の…カップルとかが…普通に買い物してる
昔は、子供だったからか?
なんだか入りにくいお店が多かったような…
片っ端からお店を冷かして歩いていたら
いつの間にか結構な時間がかかってすっかり暮れていた


店じまいを始めたお店に気を取られて覗き込むと
入口にかわいらしいこんもりとした土鍋があって
えすちゃん夫婦が
「いつもお米は土鍋で炊いている
 数分炊いてあとは蒸すだけだから早くておいしい」
思い出したから、その土鍋をよく見てみたら
やっぱりご飯炊き用の二重蓋の土鍋だった


2000円と安かったので、
これで試してみようかという気になって買い込んだ
これだけお店を覗いて歩くと…結局何か買いたくなったんだ…


で、本日の懐かし散歩は
余計な?お皿2枚とその土鍋の楽しいお土産付
あの頃シンボルとして見ていたニイミの?屋根上の
コックさん人形が、同じ顔だと思うけれど…
大きく立派にまだあるのはなんか嬉しいけれど
同級生の家だった建物がなくなっていた。