映画ファン


先日一寸お知り合いになった方と地下鉄で一緒になった。
同じ駅まで帰ることがわかってご一緒した。
余り知らない方と30分近く隣にいるわけだから
気持ちよくお話をしたいなぁ・・・と、思うけれど
さて、共通の話題はあるかしら?
そこまで辿りつけるかしら?
ところが心配は要らなかった。


「私趣味は映画なのよ。
主人と二人で大抵の日は映画館に居るのよ。
日によってははしごするし、最近はしなくなったけれど
昔は3本立てなんて映画館行ったりしてね。
毎晩夕食後に主人と今日は何を見ようか?なのよ。
あ、洋画だけよ、邦画は見ないの。
音楽も趣味よ、洋楽だけ。演歌・民謡は絶対駄目。」
「あら、私と同じだ!私も映画が好き。
洋画ばかりだったけれど、最近は邦画も見るわ。」
「そう!あなたの一人は誰?」
「ピーター・オトゥール!」
「解かるわ!あの目でしょ?私も好き!ロレンス良かったもの・・・
私は・・・あなた知っているかしら?小柄なんだけど・・・
小気味のいい、セクシーなアクション俳優よ・・・」
「ひょっとして、スティーブ・マックイーン?」
「あら、よくわかったわねぇ、若いのに?」


と言ったその奥様は私より6歳お年上でした。
「ピーターのこと知っている人って少ないんですよぉ。」
「直ぐマックイーンってわかる人も少ないわよ。」
・・・延々・・・


と、話が盛り上がって、随分しゃべっているけれど?
と、駅を見れば知らない駅名が・・・
あらら?大変!と、
彼女を引っぱって飛び降りました。
「さっき乗り換えた時に反対の電車に乗ったみたいですよ。」
そうでした!
しゃべりながら永田町で乗り換えた時、話に夢中で
気にもせずに来た電車に乗り込んだのですが・・・
最近は乗り入れのせいで・・・嘘みたいに知らない駅についていました。


「大丈夫よ。私よくやるの。」
「あら、私も。」
反対の電車に乗ってまた・・・延々・・・
「うち映画のライブラリみたいになっているから、
今度マックイーンの最高の一本見せてあげるわね。」


今度は無事到着!
流石の私も3本はないなぁ・・・脱帽!