もうちょい?


生後44日
あかちゃんは赤ちゃんのままで
いつまでも赤ちゃんのままでいてほしいと思うのは
お母さんじゃないから…だね
わいちゃんが44日のころは毎日
お願いだからもっと眠って!早く大きくなって!
早く寝返りを打って、はいはいして、たっちして…
なんて思っていたかもねぇ
今なら
あかちゃんはあっという間に大きくなって
お母さんの手から滑りぬけていくってわかっている
なのに…



颯介丸が私の指をしっかり握ると
なんて力が強くなったんだろう…
足の指が私の指を握ると
ああそうだ、赤ちゃんの指は足もこんなだった…
こんなにかわいい指がこんなにしなやかで力強かった
わいちゃんもえすちゃんも思いっきり可愛がった!と、思うのに…
でももっと可愛がっても良かったなぁ…なんて
懐かしくも惜しく思われたり
颯介丸を見ているといろいろ思い出されて切ないなぁ



まだ2か月にもならないこの子が
お手手をしゃぶろうとして握り拳を口に持っていく
人差し指をしゃぶり
小指を咥え
親指をしゃぶり…
もうチョイ…でこぶしごと咥えられそう?
がんばれ、もうちょい?



枕を使って
蹴りのけたタオルを使って
思いっきり体をのけぞらし…今にも寝返りを打ちそう
がんばれ、もうチョイ!


おばあちゃんはその瞬間を見落としたくないよー
だから目を離せない


お乳も吐くから目を離せないし…
颯介丸のすることはみんな可愛くて目を離せないから…
お母さんってあの頃、忙しかったんだよ…と思い出す
あの時期、走ってばかりいたような…
でももうじき帰っちゃうから
颯介丸の寝返りもはいはいもその瞬間を見れるのはお母さんだけだね
わいちゃんの、えすちゃんのその瞬間を見たなぁ
あれは最高の時だったんだ…