着物は?


「あら、着物は?」
会うなり聞かれましたけれど
「…だって…」
「あ、そうか、そんな余裕なかったのね」
そうですよ、来れただけで十分
家は今ごったがえしていますからね
畳半畳あれば、大丈夫って彼女は言うんですけどね
先回彼女から帯揚げに使ってと
着物の裁ち端のきれいな布をいただいていましたから
今日はそれを使って見せたかったんですけれど
でも、来週は畳半畳で着物来て見せますよ
だってお宮参りなんですもの!!!


  

今日の民芸は「マギーの博物館」です
殆ど日色さんの独り舞台でしたね
登場人物はたった5人
そのうち一人は口を利かない人ですから
民芸の団員の人数を思うと…贅沢な?舞台ですよー
今月出られる人は「え、たった5人なの?」
劇団員さんのつぶやきがきこえるようですよ


他で仕事のある人はまだしも…なんて
舞台裏を考えてしまいました
…って、それもこれもうちのサークルの事情と鑑みて
座員が20人になった時、先生が言いました
「今までは全員参加がこのサークルのモットーだったけど
これからはそうはいかなくなるなぁ…
でも、皆、舞台裏のお手伝いも応援も活動だと思って」
当然趣味のサークル
オーディションなんてやりませんからね
だから却って難しいんですけれど
発表会があるたびに「私出番少ないの」
どこからか声が聞こえてくるようですから…


それはともかく
この舞台、不思議なものでした
カナダの炭鉱の話でしたが…
日本の筑豊・夕張…聞いた話です
クローニンの城塞って小説でイギリスでも
シンデレラマン」のブラドックも炭鉱だった?
…えーと…あれもあれも
いっぱい思い当たるようですが…
どこの国でも炭鉱は同じ道筋をたどったのね…ぇ…
その悲劇に対抗するすべを持たない女たちは…
マギーの精一杯の叫びでしょうか
痛々しい限りの表現です
男たちは散っていっちゃうもんねぇ…残った女たちは
なんだか哀しいねぇ…ただただ悲しい…
男がつらいのか、女がつらいのか…