ランチの妥当な値段


よく知っている街でも、人と歩くと
知らなかった面を発見することがある・・・という
当たり前のことに先日も気が付いた。


最近できた新しい友達と映画を見に銀座へ出かけた。
彼女とは映画の好みがぴったり一致して、
見たい映画が合うのでこのところ度々一緒している。
だけど何度かお付き合いするうちに
彼女がひどく小食なのに気が付いた。
実際私よりずっと小柄で細い!
私より細い人は掃いて捨てるほどいるが、
さして変わらない年代で私より小柄な人はそうはいない。


簡単な(と、私には思える)ランチを彼女はしばしば残す。
だからこの頃は彼女に店の選択を任せることにしている。
そうしたら、今まで気が付かなかった店に行ける!
それはそれで面白い!


この間、彼女がここここと言って立ち止まったのは
「がんこ」
「あら、知っているわ、銀座にもあったのね?
京都に住んでいた時には結構見かけたお店よ。
京都駅にもあって、東京からきた友人と入ったことがあるわ。」
「へぇ、関西にもあるの?」
「反対に関西が発祥かもよ?」
「安い程よい量のランチがいくつもあるのよ・・・」
本当に千円から選り取りみどり、京都の方が高値。
ランチが三千円からだったような記憶がある。


その店を出て「らん月」まで来て、
「ここのランチも悪くないわよ。」
「しょっちゅう前を通っていたのに覗いたことも無いけど
らん月って古いお店よね・・・?」
なんて話していたら
ウィンドウを熱心に覗き込んでいたオジサンが
「一寸お伺いしますが・・・銀座でランチと言ったら
このお値段は妥当なものですか?
それともお高い方?お安い方?どうなんでしょうか?」
「平均じゃないでしょうか?と思いますけど・・・」
「元々ここはすき焼きやさんだから
このすき焼きランチはお得な方じゃないでしょうか。」
「お向かいのお肉屋さんの「ざくろ」さんも
ランチはこのくらいの設定ですから・・・」なんて、
私たちも定食写真にきちんと値段をつけてある良心的?ウィンドウを
一緒に覗きながらおしゃべり相手をしてしまった。


「あの人銀座に店を出すのかな?」
「ああ、そうか敵情視察?」
「ただ食べる店探しているのじゃないよね、もう三時だもの。」
どこかで彼がいるお店でランチタイムに再会するかも?