人様々?


昨日夾竹桃を見て夏を感じました。
夏の花木というと百日紅を思い出します。
そして私はこの花は好きです。
それが先日本を読んでいたら、こんな1節に突き当たりました。


「私の知るかぎりの百日紅はみな、暑くるしい、
ときには獰猛な感じすら受ける花であるのに・・・(省略)
それだけはなぜか別物のように上品で、静謐な感じがした。」
浅田次郎著「伽羅」


オヤ?です。
私の中にあるイメージは
この後の方の「上品で静謐な」に近かったのですから。
百日紅は真夏に見る花にもかかわらず、
夾竹桃のような暑苦しさを感じたことがありません。
もっとも我が家の庭の百日紅は白だったからかもしれませんが、
ピンクの花を見ても獰猛な印象は有りません。
つややかな幹の色合いと質感のせいかもしれませんが、
むしろ夏空に優しさを添えているように思います。


そういえば真夏の京都の、確か南禅寺のどの塔頭だったか
緑の木々と苔の中にたった1本の百日紅
見事な桃色の花を満開に付けているのを見たことがあります。
鮮やかに目覚しく暑さも吹っ飛ぶようでしたっけ。


同じものを見ても人はそれぞれ
自分なりの事情や過程で色々なイメージを
心に焼き付けているもののようですね。