風の街


湾岸にあって高層マンション林立の街とあって
強風はこの町の宿命みたいなもの
ここからベランダの方を見るだけで
今まさにニョキニョキ立ち上がっていく高層住宅が
3棟は見えますものね
大通りの横断歩道で難破しかかっているおばあちゃまを
何人も救い上げたことがありますよ
ダイエットに失敗し続けている私の頭の隅が
こういう時、囁くのですよ
「この街に住むならある程度の体重は必需!ですよ」


そんなで先日も大風でした
友人からお誘いを受けてすぐ近くの喫茶店へ行く時も
いやいや凄い風だね、泳いでるみたいだよ…
前かがみで出かけましたが…
窓際のテーブルでお茶してよもやま話している間に
何個も飛んでいく帽子を見ましたよ
スゴイねぇ…今日は特別…なんて言っていると
同じマンションの奥様が通られました


例の、皆に迷惑や手数をかけるようになったら遠慮すべき!
やり玉に挙がっているお方です
1っ歩歩いては立ち止まり必死で体制を立て直し…
暫し時間をおいてようやっとまた1っ歩…というのが見えました
友人に待っててもらってマンションまでお連れすべきか…?
迷った時、その彼女が、止まったままこっちを見て目があいました


風に前傾姿勢をとったまま、片手をあげて挨拶を寄越しました
なんだかその姿を見た時、手を振りかえしながら…
飛んで行って支えるのは余計なお世話なんじゃないかな?
本人は本人の意志でこの風の中に出てきたのだから…
遅いのは…待ってあげればいいのだし
頼むと本人が言わないのに手を出して迷惑かけるって言うこともない
見送っていると一足一足確かめつつゆっくり帰って行きました


そのあとも
必死に帽子を押さえてよろめきながら
我マンションンのシニアさんたちが通って行きました
旦那もマッサージに出かけるときに
「お前たちがお茶飲んでいるの見えた」と通って行ったらしい
なぜか旦那を見損なったのよね…?
茶店の中は快適でした!