観音様


父がこの間の京都旅行で自信を持ったから
「日帰りで観音様にお参りに行く」
「何で?泊っていけばいいじゃないの」
「いや今月は月末に歌舞伎座で泊りに行くから・・・」


東京に来るなら付き合わないわけには行かないでしょう?
父は9時に家を出て11時の「その木戸を通って」を見て
私はもう見たので、12時半に終わる頃映画館前で待ち合わせ
昔の父は気働きのいい人で
12時半の待ち合わせなら当然「昼飯を食べて観音様!」
と思って昼飯を食べないで待ち合わせ場所へ「来るかも?」
って気付かないはずは無かった人なのに
「お昼は?お腹すかない?」の問いに
「映画見る前に軽く昼を食べたから空いていない」
さっさと観音様に向いました。


本日のメインイベントは五重塔の母の位牌に
お経を上げてもらうことです。
浅草寺から年に2回回状が来ます。
今日は五重の塔の開帳の日なのです。
全く父は呆れたことに?両親と母の遺骨を分骨して
京都の本願寺にも埋葬し、五重の塔にも位牌をお祭しています。
お参りが終ると私のお腹は「ぐーぅっ」状態でした。
「ねぇ、尾張屋でお蕎麦でも食べない?」
「お腹空いたのかぁ?そうか、軽く蕎麦で温まるのもいいな」
本当に何年振りかの尾張屋でした!
この前来たのは母とでしたから、少なくとも十年ぶり以上!


つくばエキスプレスが開通してからの
伝法院前の通りは激変しました。
昔のテント張り?見たいな店は張りぼての江戸風?に・・・
なんか妙に軽げで、なんかイヤだなぁ・・・風でもあり
妙にしっくりしていなくも無い安っぽさ・・・
それでも五重の塔の天辺から見た伝法院の境内は
見事なイチョウの黄葉が金色に照り映えて秋そのもの
同じく見下ろすときれいになった浅草寺病院は
わいちゃんとえすちゃんの生まれたところですし・・・
なんだかんだ言っても・・・浅草を歩くと
妙に肩が軽くなる私です。


五重の塔の天辺まで上がれるのはこれが最後だ
「登り納めだなぁ・・・」と、父
「どうだか?」と、思う娘