2021/8/17
日常が返ってきました
と言ってもあくまでもコロナ下での日常ですが…
カズオ・イシグロ 3冊目です
「日の名残り」「わたしを離さないで」に続いて
「クララとお日さま」
不思議な味わいの小説でした
語り手のピュアさに読後が悲しさを持ちました
しかし「わたしを離さないで」と同じく
未来を見据えたこの作品は
見知らぬ世界の不安を感じさせますが…
クララの視点の分割の先の統合が安定
でもAFの献身の上にもたらされる
恵まれた格差の上に立つ人々が作る世界
肯定していいのだろうか? イヤ!
店長さんの立ち去る背中を見たいものだ…
この未来にはもう私はいない!
そう思うとなぜか少しホッとします
思考?の合間には何時ものサスペンスも続きます