お通夜


サークル仲間のご主人様が亡くなられたと連絡があって
お通夜に窺うことに皆で決めました
彼女はサブリーダーでもありましたし
お人柄も信頼敬愛されていたので
ここの所サークルも休みがちでどうしたのかしら?
と皆さん心配し始めていたところでした
私は彼女の補佐をすることが多かったので
事情を聴いていたのですが…彼女の依頼は
「極力主人の病気の事は皆さんに伏せてね」
だったのでほんの数人だけが知っていたのですけれど
大抵の人には寝耳に水で…申し訳ないことでした


こういう場合ご本人のお頼みに沿うのが当たり前!
とは思うものの…こうなると驚かれた方たちに
隠し事をしていたような後ろめたさも顔を出します
リーダーなどは世の中はえてして?こんなものよ
うすうす気が付いて口を拭っている人も、
根掘り葉掘り探りを入れる知りたがり屋の人もいて
‘人間社会’と割り切っているようですが…
漏れるものは漏れるし話す人は話すし?


彼女はまだ70歳になりたてのご主人様をこんなに早くなくされて
本当にお気の毒でなりません
10人ほどの仲間と伺いましたが
田舎のお葬式通夜ばかり見てきた私にはびっくり!のお通夜でした
     ナンテ機能的なの?


受付で、香典出して、記帳し、引換券を貰い
接待所なるものに案内されて、暫しのちに案内されて
行列に並び三列横並びで焼香し、流れで接待所に帰り
軽い食事をつまんで、ところてん方式で出口へ押し出され…!
出口で引換券と香典返し?を渡されて終了


焼香の時に彼女とお子様たちに遠くからお辞儀をしただけで
勿論声をかける時も、挨拶する間もなく、ロクに顔も合わせず…
へぇ〜都会のホールの通夜はこんなんなのね?
流れ作業みたいで感情が入る隙間が全くなかった


おかしかったのは
列に並んでいるとき美容院へ行ってきたとにこやかに話していた人が
焼香に後三列となった時、突然しゃくりあげ始めて
ハンカチを取り出しエーングスンエーングスンと泣きだしたこと
今泣いたカラスの反対だ!とびっくり
「喪主の彼女を見た途端涙がこみ上げたのよー」とは彼女の弁
だけど周りの人々にびっくりして見つめられるくらい派手に泣いて…
なんか‘わけありの女’に思われなかったかねぇ〜
と老婆心でつい思っちゃったお通夜でした
泣くにもほどってものがあるでしょうが!全く!