今月の民芸


昨年末は知り合いの女優さんがお二人も出演なさったし
サークルでも大人気の「周平さんの原作思案橋」の舞台だったので
サークル仲間が大挙して出かけたのだけれど
今月は彼女たちは出演しない
毎年のことながら、昨年末にもS先輩と迷ったのだけれど
たまに着物で見に行くお芝居は心のオアシス?
というわけで…今年も会員になった


ところが本日は雨!
残念ながら着物の出番はなかった
昨年末から今年にかけて、ずいぶん着物を着る機会があった
その成果ここの所着物を着るのが億劫ではない
襦袢の襟を変えたり、袖のサイズを合わせたり
帯揚げと帯締めをどうするか悩んだり…
そんなことも結構楽しんでいる


今月の「静かな落日」は
何度かの舞台化の事は知ってはいたが見るのは初めて
見終わって
なんていい舞台なんだろう…素直にそう思えた
それぞれの人の持つ個性がとてもやわらかくて
人間として熟成されていた…もちろん困ったこともしでかすが
でも人間ってそれでもこんな風に知性や理性を持ち
そして正しいことをする信念に生きることもできる!
人に信を置けるというすがすがしい気持ちになれた
何より桃子さんの人柄の力が舞台を…
というより多分この父の人格をも育て上げたんじゃないか
この心根の優しいおおらかさが何事かをなしたんじゃないか
そんな風に思われて…
何より父娘の情愛に、互いへの敬愛の気持ちにうたれたのだと…
それがセリフを通じて気持ち良くしみこんできた


父の亡くなった後の寂寥感が胸を締め付けて
自分になぞえていたのかもしれないな…
とにかくいい舞台だった!
手放しでこう書けるのは年に一回?じゃ困るけど
今年は山頭火も楽しみだし…