老いるという事


先日友人からつらい話を耳にしました
先だって百歳になられたひとり暮らしのお母さんを
妹さんと看ていらっしゃるのですが
その妹さんは九州に嫁いでいるのです
ですから大変!月に一度飛行機で上京しています。


お母様はとてもお元気で口も立つし
簡単な料理は今でも自分でできます
介護度はしたがって今年ようやく高齢だからと 2!
ヘルパーさんも頼めるしディケアも受けられるし
訪問医療とかでお医者さんも来てくれます・・・筈です
ところが気に入らないヘルパーさんは締め出すし
注射が下手だった医者は「藪!」といって追い返すし
「年寄りばかり集まって何が面白いんだか?」と
ディケアも拒否だし老人ホームなんてもってのほか
「この頑固さも痴呆の一種です」と医者に言われたとか
猛烈元気わがまま意地悪ばあさんだと友人はため息
下町の一戸建て
近所からは火の始末が心配だからと苦情もあるとかで
先日お弁当サービスを頼むことにしたら・・・
「こんなまずいもの喰えるか!」
「門前払いをして勝手に契約解除しちゃった・・・
 それで煮炊きさせないならどこどこのそうざい買って来い
 どこどこのパン、どこどこのお菓子って毎日要求ばかりよ・・・」
姉が思うようにならないと九州の妹を呼びつける
またその妹さんが優しい!
で、とうとう月一の東京通いが日常化してもう数年


先月九州に帰宅した妹さんにご主人が
「今度東京に行ったら離婚だ!」
「離婚に応じる!」
「絶対行かせない、離婚もさせない」とエスカレート
70歳過ぎたご主人は妻が居ない間の不自由に耐えられなかった?


ところが夫を亡くして40年以上も未亡人だった母の方は
娘が離婚しようがしまいが平気の平左
「自分が良ければいいので、妹の人生思いやる能力ももう無いの
 ヘルパーさんと私でいいじゃない」という姉の言葉など馬耳東風
都合が悪くなれば末娘を呼びつける
そんなわけで今月妹さんは離婚覚悟で上京しました。


傍で伺っていると、大変さにため息が出ます
が、
妹さんはお母さんの介護をしなかったら
一生悔いが残るだろうし・・・
もし夫が彼女の上京を阻止できたとしても
行かせてくれなかった夫を一生恨むだろう・・・
妹さんの心は夫から遠く離れてしまうだろう・・・


こんな状況になりたいと願う人なんて一人も居ないのに・・・