さて、今月は、6月は、父の一番嫌いな月です。
真冬も辛いのですが、この時期の湿気と高温は
体力をひどく消耗するといつもこぼしています。
ま、そのせいではないでしょうが、
「今月は華やかな物を見たいな!」
「つまり?」
「歌舞伎を止めて演舞場にするか?」
(歌舞伎も十分華やかだけど?)
「鹿鳴館ってこと?(まさかホトトギスってことは無いね?)」
「久しぶりにどうだ?」
「久しぶりって言っても(TVでは見たが)舞台は見たこと無いわ」
「それじゃァ丁度いい・・・」
というわけで今月は新橋
真夏日の中を元気に出かけました。
杉村春子さんの朝子も初代八重子さんの朝子も
他の女優さんの朝子も・・・いっぱい見ていて父の好きな舞台です。
といっても本人は「三島由紀夫は好きじゃない!」そうですが・・・
この作品なら私も筋は頭に入っています
それじゃぁ、新派の真髄を見せていただこうではありませんか!
ところがその日は皆さん調子悪かった?
なんか科白の息継ぎに失敗したな?とか、
あ、とちった!とか、今の科白調子外した?とか・・・
アラララ・・・
でも父の言う華やかな舞台は華やかでしたが
あの頃国交が有るはずの無い国の大使たちがいっぱい出て
失笑した舞台もあったとか、
舞台の設えがこの前はこうだったとか、
思い出は次々浮かんできて
父にはこれはちょっとしたセンチメンタル・ジャーニー?
私はと言えば
「団十郎さん・・・妙にちぐはぐ・・・何故だ?
科白が歌舞伎と同じ言い回しになるから?
でもその押し付けがましさが妙に説得力になるな?
でもなんかおかしい・・・」
気になってたまりませんでしたが・・・
!
ああ、そうか、この方、蟹股なんだ!
納得がいったら・・・妙に親愛感が湧いてきました!
帰り道父が
「団十郎は足が短いんだなぁ・・・やっぱり袴だなぁ・・・」
と言った途端、笑いが止まらなくなった私です。
私たちに言われてもねぇ?
でも団十郎さん大好きです!