2021/4/18
作・西條奈加
オムニバス短編6作
心淋し川と書いてうらさびしがわと読ませる。
その淀んだ川のほとりの潰れかけたような長屋の住人たちの話。
うら寂しい、淀んでいる
けれどどこかかすかに射し込む薄い光が望める
だってちゃんとそこに生きている
幸せとはとも問いかけてくる
彼等のあまりにもいじらしく愛しい人生
久しぶりにいい小説をじっくり読んだ気になった
藤沢さんの作品のように何度も読み返したくなるだろうね
- 心淋し川の、ちほさんも
- 閨仏の、りきさんも
- はじめましょ も、
- 冬虫夏草は母親にはつらいけれど
- 明けぬ里は悲しい
- 灰の男 と はじめましょ は
女だけでなく男も生きるのは辛いんだなぁと…
心に忍び込んで生き始めたような気がした
ここの淀みに住む人たちが