母の源氏物語

 

母が買った最後の本が

瀬戸内寂聴さん訳の源氏物語だった

 

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高校生の時、私は父の勧めで

谷崎潤一郎さん訳の源氏物語を読み始めた

これが難物で…4巻目くらいで脱落したっけ…

あとは適当に図書館で円地文子さんとか田辺さんとか

拾い読み程度にお茶を濁す読み方だけ…

母が読み終わって、

実にわかりやすかったというので借りて通読

一気に源氏を読んだのは初めて

挿絵?絵が…石踊達也さん…が最高に素敵

原画展が催されたときには見に出かけた

探せばどこかに買い込んだ絵葉書があるはずだ

 

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弟から全巻欲しいなら送るよ

と連絡があったのは父が亡くなった後だった

父は私に上げると言っていたけれど

あの10巻読み返すかなぁ~?

しまう場所あるかなぁ~?

かなり悩んで「送るに及ばず」と答えた…

 

「10巻欲しいという人がいるんだけど、10巻目そっち?」

弟からメール

最後に読んだまま返すのを忘れていた…と言うより

読み終わった後で父がホームに入ったし

私にやると言っていたのでそのままになっていて

頭のどこかでは母の形見だという気分もあった…

 

読んでくださる方があるなら、良かった!

すぐ残っていた1冊を送り返したけれど…

本棚の、そこ…が、何だかなぁ…と、眺めている