芝浜のおかみさん

2019/1/29  折々に

 

第9回、三年目に入ったくすの木本番一応成功

一週間このために頑張って静養しました。

喉がパンパンに張れていたくてたまらない3日間は

当然声が出なかったのですが、

痛みが引いても声はきちんとでなくって…

先生は「だってまだ炎症は残っているわよ」

火曜日まで間に合うかホントドキドキしました。

仲間にもドキドキさせてしまって申し訳ない。

私が出ない穴埋を二人に考えておいてもらいました。

電話で私の声を聞いたSさんは

「本番までしゃべるんじゃないよ。

考えとくけど、何としても出るつもりで治してよ」

もうお独りのYさんは

「あ、しゃべらないで、私がしゃべるから答えはうんかノーだけで、

声使っちゃ絶対ダメ。準備はしておくけど、絶対治すつもりでね」

まったくおんなじことを言うんですよ。

治さないわけには行かないでしょ?

私だって気分は必死なんですけれど…鼻声はどうしようもない…って、

鼻声までには持って来たんですけどね。

当日の朝「この声だけど…どう?」

Sさんは

「ああ、いい、その声でいいよ」

Yさんは

「微妙…でもするしかない、して」

何だかなぁと不安な気分で出かけました…が、

なんと本番、不思議に声が出ました。

ホッとした打ち上げの席でアンケート見ましたら…

「本日のメイン「芝浜」が絶品。

Yさんの江戸っ子の魚屋、Kさんの品のいいおかみさん。最高の組み合わせ!」

「うわーっ、やっちゃったか」

声をセーブした分優しいおかみさんになっちゃったんじゃなかろうか?

不安には思っていたんですよ。

長屋の貧乏人のおかみさんですよ。

品がよくなっちゃったら…いけないでしょうが。

前に長屋のおかみを読んだ時、演出家に

とっぱずして、思いっきりガサツになって!って

あんた、練習ほどガサツになってなかったよ。

確かに、あまいおかみさんだったよ!

風邪のせいだとの言い訳は通らなかったようで…。