今月の民藝


思案橋

 


サークル仲間の出演ということもあって
仲間9人とそろって押し出しました
ちゃんとお約束通り着物を着ていきましたが

     

頑張って着物姿を決めるために?
前々日美容院へ行って髪を染めてきた人が
「染めている間なんだかぞくぞくしたのよねぇ〜」
熱がでたのだけれど当日は下がったから行くけど
「だるくて着物で決められなくなった!」
「風邪?」「ううん、知恵熱だって」
60歳の還暦を迎えたばかりだから?それもありうる?


     

早めの夕飯を三越で取って観劇です
今回の周平さんの作品は3作の短編の組み合わせです
さてうまくいくのでしょうか?
それと見どころは知っている方がお二人も出演している
足袋屋の女房役はサークルの仲間だし
おつねを演じるのは何度かサークルに顔を出してくださった
火宅の人の恵子のモデルさんになった人であるし…
お二人ともこんなことを言ってはなんだけど
お年とは思えぬ迫力に美しさである!
80歳近いと思われるのに堂々たる声で
もっとも入江さんの方はセリフが大分頭に入っていない
妙な間が開くところがあるのだが…
「あれは、プロンプターを使っているからなのよ」
なのだそうだ!
政治家の演説ではあるまいし…とは思ったけれど
老大女優ともなると仕方ないのかね?
「許せる範囲よ」と仲間内ではかばいあう
「年齢を考えてもごらんなさい」
それでいいのか?


演出は非常に凝っていて
「おおこれは面白い!」
と思ったのは初めのうちだけで…
だんだんうるさくわずらわしくなってくる
暗闇で蠢いて、登った人が降りてくる
なんだかそのうすぼんやり見える動きが危なげでもあり
どうにも落ち着かなくなった
82歳のお仲間は
「おかげで眠らないですんだわ、忙しかったわね」
そういう問題か?


音楽もいまいち怪訝で
周平さんの原作はファンが多いだけに難しい
舞台にするときはもっと細心の注意が欲しい
明瞭なセリグは時に情緒をぺしゃらせる
セリフにすると…ああ霧の情感が晴れてしまう
やっぱり周平さんは目で読むものだ!
確信した!