東北大震災


お教室を終えて地下のスーパーに入った途端の揺れでした
最初に思ったのは縦揺れじゃないから大丈夫?
それでもスーパーはすぐ
「地上へ退避してください!」
で、揺れが長いなぁひどいなぁこれはどこかで大地震かも?
それとも震源地が近いのか?
ビルの入り口で…おかしいものね?
人々の動きは二つに分かれました
ビルを飛び出していく人、ビルの出口にとどまる人
「あんたー、出たらガラスが降ったら大変よー」
叫ぶ人に、飛び出した友人らしいのが
「そこが崩れたら助からないわよー」
ま、ビルが崩れる前にガラスが降るわよね?
と、思った私はビルの中側に
近くの見しらぬおばさんが私にひしと抱き着いてきて
「怖い怖い、こわいー」私の胸に顔をうずめて
すごい力で腕を絞めつけてきました
だから、なんかなぁーと思いながら、不本意ながら、
そのおばちゃんを揺れが収まるまで抱きしめていてあげることに


揺れが収まった時やっと
うちはどんな有様になっているだろう
今日飲み会の旦那はもう家を出ちゃっているかしら?
急いで帰らなくちゃ…という思いが
やっと顔を上げたおばさんが恥ずかしそうに
「ありがとうございました」
でもあの揺れだもの当然電車も地下鉄もダメだろなぁ
よりによってあまりなじみのない錦糸町なんかでなぁ…


道路を見るとバスが来るのが見えたので
とりあえず一番先に来たバスに乗って家の近くまで
ところがそのバスがバス停で木の葉のように揺れだして
余震だ!
今度は私がバス停の柱に抱き着く羽目に
その揺れが収まって走り出したバスも途中で
「ただ今、運行停止命令が出ました」と停止
「いつ動くのよー」
「ほかの自動車動いてるじゃないのー」
「すいません、私にもわかりません、連絡が来るまで動けません」
「誰の命令よー」
「都からで…」
「石原に電話してよー」
おいおい!おばさんてむちゃくちゃ言うのね?
思わず笑ってしまいましたが…
確かにその間にも余震は感じられるし…
そのバスの中でつながらなかった携帯のメールが繋がり
子供たちの安全を確認できたから一応ほっ!


どうせ途中までしか行けないバスだから
そこから歩くことにしましたが
うちまでは運河を何本も渡らなくちゃならない
歩いているとパトカーが横を
「水辺から離れてくださーい
 海辺へ近づかないでくださーい
 高いところに上がってくださーい」
そういわれたってねぇ…
やっと家についてエレベーターが使用中止で
青息吐息で14階まで登って
旦那の無事な顔とあまり変化のない家を見たらどっと疲れが出ました


でも大津波が押し寄せる景色を見ていたら
あの津波がこの運河に押し寄せていたら…
私は「ヒアーアフター」の女性になっていたかも?
いやいや…なんて危ないところを歩いていたんだろうねぇ
海っぱたに住むっていうことはこういうことなのかも?


しかしあのスーパー、あの時
退避って言ったけど…買い物途中の人は置いて出ればいいけど
レジで支払中や、買ったものを詰めていた人は
あの後どういう動きをしたんだろう?
従業員も外へ出てきていたけれど
レジは番する人とか決まっているんだよね?
当然危機管理?できているんだよねぇ?
でも、ビルの出入りには誘導する人とかなにもなかったな
かなり揺れたけれど、歩けないほどじゃなかったから
歩けないほどだったらどうしたろう?
錦糸町から家まで…うん、道は知っている、歩ける!
…って、そういう問題で…終わらないだろう?
帰宅難民!
道が分断されて、水が押し寄せて…悪夢だ


ニュースを見ているうちにこれは未曽有の大災害だ!
実感がじわじわしてきて…目が離せない、怖い
おじいちゃんにもホームにも連絡がつかなくて
ようやく確認できたのは午後8時過ぎだった