父のお供


先月は法事、スペイン旅行に発表会と
盛りだくさんの上に父の88歳の祝賀会にも出かけ
当然?しわ寄せが来て
恒例の歌舞伎見物は中止にせざるを得なく・・・
今月こそは付き合ってあげねば・・・と、思っていたのに
日程がまたもや合わず、今月も歌舞伎は棚上げ
その間父は電話で「先月より一段衰えた」何て言うから
今月の上京は心配していた。


それでもいざとなると色々なイベントに乗り気
好奇心とやる気はいつもどおり満々で一安心
今日は阿修羅展



     
     
     


上野の公園口で待ち合わせた。
日曜とあって予想はしていたけれど凄い人出
ルーブル美術館展もしているし、恐竜展も?
緑の美しい風の柔らかい最高の公園日和が期待できる季節
人出が無い方が不思議だよね?
それでも地元意識がまだしっかりあって
上野や浅草が人で賑わっているのを見るのは嬉しい!
子供の時ロックは大人の背中に張り付いてしか歩けなかった
あの人込みが私の原点?


阿修羅展の中ほどで
「だから俺は厭だと言ったんだ
 何がそろそろそんなに混まないだ?
 俺ぁ見えないじゃないか、この人間たちはなんだよ!」と、
奥さんを怒鳴りつけて苛々足踏みしている男がいた。
「こんな亭主を持つと百年の不作だ!」
お気の毒に思ったが気の毒すぎてそっちは見れない
家の旦那も無理やり誘ったりしなくって良かった!
父は「またお会いできました」なんて仏像さんたちに挨拶
私もなぜか初めてお会いした時から好きな
迦楼羅さんにもお会いできて嬉しい!
何でこんなに彼が気になるのかなぁ・・・と思うけれど
彼はおしゃれで身だしなみも良くきりっとして・・・
阿修羅さんはあの正面のお顔と衣装が実にしっくり
モナリザより魅惑そのものだ・・・と思うのね


帰りにやっぱりここまで来ているんだからと
大道芸で賑わう公園を抜けて御徒町まで
うさぎや」さんに寄っておやつを買う
「買って直ぐに食べるこのドラ焼きほど
 美味しいドラ焼きを他に知らないわね・・・」と頷きあう
父はこのドラ焼きの他には唐饅頭が好物だが
私は茶通の方が好きだなぁ・・・


それにしても父は80歳の時はまだ
上京すると時を惜しんで美術館のハシゴをしたけど
60過ぎた私にはもうすでにその元気は無い
完全に父に負けてるね・・・と思いながら
確かに本人の言うように二ヶ月前より足が衰えている・・・
気配は感じてしまって・・・寂しい