梅酒


今年もスーパーで「青梅が出たな!」と、思った途端
友人からどかっと青梅が送られてきました。
毎年ありがとうございます。
ダンボールの中には
「今年は豊作でいっぱいとれました。
私は梅酒と梅ジュースを作ります。」と
お手紙も入っていましたが、
私は全部梅酒にすることにしました。


お台所で青梅を洗って
一つ一つ楊枝で蔕をほじくっていると
毎年母の事を思い出します。
亡くなって昨年もう7回忌をしました。


母もよく梅酒を造っていました。
台所の母の隣で
こうやって梅の蔕を取ったなぁ・・・
最近めっきり後姿が母に似てきたと言われる私は
多分母と同じ姿勢で
母がしていたようにうつむいて丁寧に
蔕を取っているんだろうなぁ・・・


母は出来上がった梅酒から
取り出した梅を食べる方が好きだと笑っていました。
そのせいか私も取り出した後
茶色くふくふくに膨らんだ梅を食べるのが楽しみです。
しわしわになる梅とふくふくになる梅と
どこが違うのかなぁ・・・なんて思って
そういえば深く考えたことも無かったなぁ・・・
などと思いながら蔕を取っていました。


マンション暮らしになってから置く場所に困って
毎年作った梅酒は次に造るまでに瓶を空けておきたいので
何年も寝かせておくこともなくなりました。
母がなくなってから何年かして
そういえば・・・と母の台所の地下収納庫を開けたら
見事な琥珀色になった梅酒が出てきました。


そういえば
主人のおばあさんがやはり梅酒を作っていました。
亡くなられて十数年たった頃
物置の隅にあった忘れられていた古い甕を開けたら
梅酒が入っていました。
梅を取り出すことも無く、漬けたまま十数年たった梅は
炭化したみたいに真っ黒な煤の様になっていて
濾してみても飲めませんでしたっけ。


私の最後の梅酒はどうなるのかなぁ・・・